筆記試験対策

一般常識問題を大別、分析した上で対策を立てる
 どういうわけか、”なんとかなる“と思われがちな筆記試験。しかし、その実際は、きちんと事前に対策を立てて臨んだ人だけが合格するという、極めてシビアなものになっている。  また、ここ数年は多くの企業が一般常識問題のほかに、SPI試験やGAB試験と呼ばれる能力試験を実施。このテストである一定の得点をマークしない限り、その先には進めないという選考システムを取るところが増えている。

適性テストの種類をしっかりリサーチ!
適性テストは、大きく2つに分かれる。それぞれの内容と特徴をまず理解しておこう。

GAB・CAB

SPI とともに、主流を占めている能力測定テストのひとつ。企業の約3割が導入していると思われ、今後もそのシェアを伸ばすのではないかと言われている。発売しているのはSHL社。GABは特に論理的能力を測定するのに有効とされ、コンサルティング業界やシンクタンク、証券業界などでの活用が進んでいる。また、CABは4種類の能力テストと性格テストで構成されるコンピュータ関連職のための採用テスト。IT関連の企業の多くが導入している。

SPI-1・SPI-2

そもそもSPIテストと言われているのは、HRR株式会社が開発、販売している能力測定試験のこと。一般常識問題とともに、こうした能力測定テストを実施している企業の6~7割が導入していることから、能力測定テストといえばSPI、と思っている人が多い。現在はほかにも様々なテストが開発されているが、企業はテスト結果の連続性を重視。今後も、しばらくの間は高いシェアを占めるものと考えられている。SPI-2は後継商品で、性格適性検査に違いがある。

企業、応募者ともに何がなんでも避けたいのが、入社後のミスマッチ。SPI、GABといった能力試験は、そうしたトラブルを回避するためにも、格好のテストと言われている。
求められているのは、一般常識、能力試験の合格基準点クリア。さらに、専門知識を問う試験を無事こなして、はじめて応募者は採用候補の仲間入りができるのだ。 「筆記試験でチェックしたいのは、こうしたハードルに対する用意周到な準備。つまり、筆記試験が行われるとわかった上で、どれだけしっかりその対策を立ててきたかなんです」とコメントするのは、大手家電メーカーの採用担当者。この担当者によれば、「どの会社でも、筆記試験は事前に準備すれば7~8割程度は正解できるものを用意している」とのこと。正解率5割以下とか、ほとんど白紙状態という人は、それだけで「わかっているのに何の対策も立てなかった人」として、その基本的な姿勢が疑われると指摘する。 「ビジネスでも、同じような局面に立たされることはいくらでもあるはず。そのときに、やはり何の準備もできずに臨むというのでは、話にならない。少なくとも、パートナーとしては信頼できないわけです」
こうした準備度、計画性をチェックする上で、筆記試験は格好のテスト。多くの企業が導入する理由になっているという。

また、SPI、GABなどの基礎能力を問うテストでは、仕事の処理能力などを主にチェック。単純な計算や文書作成など、ビジネスにつきものの作業を、どれだけしっかりこなせるかどうかが問われている。いわゆる、ビジネスマン&ビジネスウーマンとしての信頼性を問う試験。ここで落第点を取ってしまっては、いくら立派な学歴を持っていても、最終選考には進めない。

DATA-CLIP

主流のSPI、GAB試験には慣れが必要。
特に中途採用はハンデがあるので要注意!

SPIの狙いと合格ラインを把握しよう!

事前にSPI経験をしておこう一般に、中途採用にこうした能力測定試験は不利に働くと言われている。特に、計算問題や法則性の発見、記憶に関わる問題などは、やはり高校や大学で勉強してきたばかりの新卒が有利。試験を前にして戸惑うといった人も少なくない。
そこでその対策だが、唯一有効なのは、事前にこうした試験の様式に慣れておくということ。すっかりコチコチになった頭を解きほぐし、その回路を開いておくという作業を済ませておくほかない。書店に行くと、各種の対策本、問題集などが売られているので、とにかく購入。一度トライしてみることだ。やってみると、ちょっとした頭の体操になることが実感できる。楽しんでやるのがこうした試験に強くなるコツ。本番で意外な効果を発揮してくれる。

標準合格基準参考図

能力検査の結果は、標準得点と8段階の評価結果で示される。
標準得点とは、その時の受験者の偏差値のようなもの。

(HRR社のHPをもとに作成) SPI受験対象別分類

SPIテストは、大きく「能力検査」と「性格検査」に分かれる。
また、対象者別にその内容も変化。上記の8種類に分かれている。

ちなみに、企業各社によって合格ラインの設定は違うものの、一般的には上記の『DATA-CLIP』に記載したラインを引いているところがほとんど(『標準合格基準参考図』)。最低でも50%、できれば70%以上の得点はマークしておきたい。 「こうしたテストについては、専門業者から特定の商品(試験問題と判定システム)をわざわざ購入して実施しているだけに、会社側も真剣。選考の際の重要データにしています」というのは、中途採用に部署の責任者として多く立ち会う広告代理店の営業部チーフ。面接時には、ある一定の得点をクリアした人のみが進み、そのときにも筆記試験でそれぞれどれだけ得点できたかといったデータが添付されるという。
応募者は、履歴書、職歴書をはじめ、エントリーシートなどの基礎データともに、いわば“まる裸“の状態で面接へ。この時点で、その人の持っている実力、キャリアの大半は把握されてしまっている。「怖いと思いますよ。うちでは中途採用でも所定のエントリシートに記入してもらった上で筆記試験、面接、二次面接の順で選考するのですが、面接に進むまでには履歴、キャリアがどこまで確実なものかが大体推察できる仕組みになっているんです。たとえば、履歴や職歴にどんなに魅力的なデータが記載されていても、それがどこまで仕事で発揮されるか、どこまで重視すべきデータなのかがはっきりわかる。さらに、面接を通してそのことを確認し、最終選考に上げるというわけなんです」

通常、筆記試験で行われる一般常識にはそうした意味合いがあることをあらためて理解。時事問題や社会全般に関する問題のほか、中学校、あるいは高校程度の計算問題や漢字の読み書き、英語の能力を問うのには、それなりの理由があることを知っておくことだ。

これだけは知っておきたい!~ 必ず出題されるジャンル別キーワード
1.政治 2.経済
 日朝平壌宣言
政治分野で、今年、大きな目玉になること必至。’02.9.17、金正日総書記程度は覚えておく。 日本人拉致問題
これも重要テーマ。拉致被害者支援法とともにその詳細を理解しておく。

 イージス艦
日本を狙ったミサイルを高速で捕捉、攻撃できるシステムを搭載した巡洋艦・駆逐艦のこと。

 イラク戦争
世界を揺るがす問題として整理、理解しておく。参加国、非参加国などを覚えておく。

 フセイン元大統領
昨年、逮捕されたイラクの元大統領。サダム・フセインとその息子たちの名前も出題範囲。

 シーア派・スンニー派
イスラム教の宗派名。多数派、少数派の力関係から暫定政府が不安定になっている点も理解。

 個人情報保護法
国内では大きなテーマに。住民基本台帳ネットワークシステムとともに覚えておく。

 道路関係4公団
日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団、本州四国連絡橋公団の総称。改革の焦点。

 産業再生機構
’03年4月に成立した産業再生機構法とともに設置。業績不振の企業の再生を支援する。 構造改革特区
構造改革を全国一律で進めるには限界があることから設けられた。詳細と実例を知っておく。

 NPO Non Profit Organizationの略。
非営利で社会的活動を行う民間団体のこと。

 デフレ
デフレ・スパイラルとともに理解。景気回復の足かせになっている問題として把握する。

 IMF
ワシントンに本部を置く国際通貨基金。International Monetary fundの略。

 自己資本比率
銀行の倒産、支援問題などでニュースに。公的資金の注入などともに覚えておく。

 金融持ち株会社
日本の4大銀行すべてが、今やこうした体制に移行。その中身と狙いを押さえておく。

 ペイオフ
金融機関破綻の際、1000万円の元本とその利子しか保証されなくなること。

3.社会 4.科学ほか
 年金改革
厚生年金、国民年金ともに、今やその行方とシステムが争点に。ポイントを整理し直す。 厚生年金保険料率
ボーナスを含めた総報酬の13.58%に引き上げられたが、さらに段階的に引き上げられる。

 SARS
知らない人はいないと思うが、新型肺炎のひとつで、重症急性呼吸器症候群のこと。

 ロースクール
司法制度改革の大きな目玉。法科大学院が今年、各地に開校。こうした動きを知っておく。

 ワークシェアリング
出題形式にも注意。今後の働き方として政府が提唱し、様々な論議を呼んだ言葉。メリット、デメリットを理解。

 ノーベル賞
昨年は、小柴昌俊さんが物理学賞、田中耕一さんが化学賞を受賞。

 芥川賞
直木賞とともに毎年出題される。特に今年は最年少記録の更新と女性のダブル受賞で話題に。

 インキュベーター
起業家精神を持つ人に、場所・資金・人材などを提供する機関のこと。

 ヒトゲノム
ヒトに関する遺伝子情報、ワンセット(遺伝子+染色体)のこと。 クローン
羊だけでなく、人のクローンも存在すると伝えられ、ニュースに。

 ニュートリノ
宇宙空間を飛び交っている素粒子のこと。小柴さんはこれを研究。

 カミオカンデ
ニュートリノをとらえるため、岐阜県に建設された施設。小柴さんの提唱による。

 ナノテクノロジー
ナノメートル(10億分の1メートル)単位での技術の総称。

 ADSL
アナログ電話回線を利用した高速データ通信のこと。ブロードバンドの主流。

 SOHO
Small Office Home Office。自宅や近隣の小事務所を職場にすること。

 火星探査機
米国の火星探査機だけでなく、国産ロケットにも注目したい。

問題に慣れることで回答のコツをつかむ!
 では、どうすれば合格基準点をクリアできるのか?  まず、先に挙げたSPI、GABなどの問題については、攻略問題集などを購入して、実際にチャレンジしてみることが大切。問題に慣れることと、そのレベル、回答のコツを知ることが何よりの対策になってくる。解き慣れるうちに、次第に頭が働くようになり、自信を持てるようにもなる。  一方、一般常識については、とにかく予想問題集にアプローチするのが最も効果的な方法。たとえ、毎日新聞を読み、ニュースをチェックしているという人でも、それを試験問題として意識しているかどうかで結果は大きく変わってくる。通常は、試験問題として読んでいるわけではないので、こうした問題集に取り組むことで、日頃のニュース、事件のポイントをあらためて認識できる。

「採用現場のわれわれでも、なるほど、と思うような問題が多数出題されます。クイズ形式で、社会、経済などの旬のニュースを覚えてしまうことです」(家電メーカー・採用担当者)
できれば、出版社の違う予想問題集を2~3冊消化するのが理想的。違った視野から企業が確認したい“現在”の問題に触れることができる。共通問題を多く発見し、どこがポイントなのかが見えてくるといった効果もある。 「基礎能力も含んだ一般常識問題に関しては、やればやっただけの成果が必ず出るものなんです。確実に点数を稼げ、なおかつ、面接への足がかりとなるのですから、これを放っておく手はない。準備しておくことです」(広告代理店・営業チーフ)。 今すぐ、トライ。準備しよう !

ZOOM-UP 採用担当者に聞く! 
筆記試験ではココを見る いい加減な回答を厳しくチェック。 もうひとつの性格診断をする。
SPIテストとか、GABテスト以外にも、その人の性格を判定
。実際の採用に役立てています。たとえば、一般常識問題をはじめとした筆記試験で、判読できないような雑な字を書いたり、小さ過ぎて読めない字を書く人などは、それだけでかなりのマイナス。たとえ高得点を取っても採用する気にはなれないんです。うちでは小論文も書かせるのですが、そこでもチェック。丁寧に字を書いているか、いい加減な答え方をしていないか、細かく見るようにしています。こうしたところからも、わかることは多いんです。(広告代理店)一定の常識、プラス専門知識。 両輪がそろっていることが条件
皆さん、筆記試験で落とされることはないと思っているかもしれませんが、それは大きな間違い。筆記試験という段階を設けている以上、そこでの成績は、そのまま採用の成否に強く反映されるのです。応募者が多い時などは特にそう。半数近くをここでふるい落とすこともあるのです。しっかり準備して欲しいですね。合格基準は、一般常識、専門知識ともに、ある一定のレベルに達していること。いくら専門知識が合格ラインでも、一般知識がひど過ぎるようだと、不採用になることもあります。(食品)

筆記試験ではバランスを重視。 
重要な基礎データとしてチェックする 筆記試験は、7年前から導入しました。狙いは、あくまでもよりバランスの取れた人材の確保と、実務への適性チェック。それに、短時間の面接ではなかなかつかみきれない、応募者の性格診断です。面接に進む前に、その人の基礎データを知るには格好のシステムなんですよね。もちろん、新卒採用だけでなく、中途採用にも実施しています。どちらかというと、中途採用の方が成績が悪いのですが、これは二極分化しているので要注意です。甘く考えていると、自らチャンスを捨てるようなものですから。(繊維)

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